12月5日 「論湿寒貧(ロンシツカンピン)」
比叡山延暦寺に、天皇陛下や要人がいらっしゃった時に使われる建物があり、その中に「論湿寒貧」という額が掲げられている。
これはまさに延暦寺の厳しい修行を表した言葉で、
「論」とは、仏教の教えを論ずる。研究すること。
論じ合い、お互い理解し合い研究をすることが大切と説いている。
「湿」とは、湿度のことで、山の鬱蒼とした木々に囲まれ、下には琵琶湖があり、畳からキノコが生えたりもするほどの厳しい湿度でも、じっと修行に耐えること。
「寒」とは、延暦寺の冬は相当厳しい。それでも素足のままで暮らし、蛇口からでてくる水で洗濯をし、雑巾を絞って床拭きをする、拭いているそばから床が凍ってツルツルになり、手はしもやけでグローブのように腫れ上がる。寒さが一番こたえると。
「貧」とは清貧を重んずる。貧しい環境の中でもひたすら研究を行うことが自らを高めることにつながる。
修行は決して人に強いるものでは無いけれど、自らを磨くためにこのような生活をしている人が延暦寺にいることを知っていてもいいと思った。
私にはできないけれど。